社員研修のお悩みは

イントランスにお任せ

03-6904-2227

お気軽にお問い合わせください。

営業時間:9:00~17:00  休業日:土、日、祝日

メールでのお問い合わせは24時間受け付けております。

社内の中間層を強くする!中堅社員向けリーダー研修のすすめ 現場を動かす次世代リーダーの育て方とは

なぜ今、中間層の強化が必要なのか

あなたの会社にも、こんな中堅社員はいませんか?

  • プレイヤーとしては優秀だが、チーム全体を見る余裕がない
  • 若手の相談役にはなっているが、指導が曖昧
  • 上司からの指示は忠実にこなすが、自発的な提案は少ない

企業の中核を支えるはずの中間層が、自信を持ってリーダーシップを発揮できていない――
このような状況は、多くの組織で共通の課題となっています。

一方で、経営層や管理職にとって、「中堅社員のリーダーシップ育成」は最も効果的な投資です。なぜなら、彼らの変化が、現場の空気を変え、若手育成の文化を生み、上層部の施策を動かす力になるからです。

本コラムでは、そんな中間層を現場の推進力へと変えるための『中堅社員向けリーダー研修』の設計ポイントと実践アプローチをご紹介します。

1.なぜ中堅社員が未来のカギを握っているのか

皆さんの職場にも、こんな中堅社員がいないでしょうか?

  • 若手からの相談をよく受けているが、育成までは踏み込めていない
  • 現場では頼れる存在だが、チーム全体を見渡す視点には欠けている
  • 上司の意図を理解して動けるが、自ら声を上げて変化を起こすタイプではない

実は、こうした中堅社員こそが、組織の未来を左右する存在です。なぜなら、彼らは現場と経営、若手とベテランの中間に位置し、それぞれをつなぐ「橋渡し役」となるポジションにあるからです。

中堅社員が組織にとって重要な理由を3つに絞って整理してみましょう。

理由1:現場と経営の橋渡し役であるから

経営層がどんなに優れた方針を示しても、現場に浸透しなければ意味がありません。
その橋渡しを担うのが、現場感覚と組織視点の両方を持つ中堅社員です。
「なぜこれをやるのか」「どう現場に落とし込むか」を言語化できる存在がいることで、現場の動きが大きく変わります。

理由2:若手の成長に直結する立場にいるから

「直属の先輩がどう動いているか」「何を大切にしているか」は、若手にとって最も影響力のある学習材料です。
中堅社員が後輩にどう関わるかによって、職場全体の育成文化が決まると言っても過言ではありません。
だからこそ、彼らの関わり方が変わると、職場の雰囲気・連携・定着率までもが変わるのです。

理由3:チーム運営の実動部隊であるから

昨今、管理職一人では回しきれないほど、現場の業務は複雑化しています。
だからこそ、チーム単位で自律的に動ける体制づくりが求められています。
その際のキーマンが、現場の流れを最も理解している中堅社員です。
「この人がいると、現場が回る」という存在をリーダーとして育てることが、持続可能なチーム運営につながります。

中堅社員は、単なる経験年数の長い社員ではありません。
彼らをどう活かすか、どう育てるかが、組織の将来の働き方そのものを左右します。
だからこそ今、中間層に本気で投資することが、経営の戦略課題になっているのです。

2.プレイヤー止まりから抜け出せない3つの原因とは

「中堅社員にはもっとリーダーシップを発揮してほしい」
「頼りにされているのに、一歩引いてしまっている」
そんな声を人事やマネージャーから聞くことも少なくありません。

現場を支えている中堅社員は、知識も経験も申し分ないはずなのに、なぜプレイヤー止まりから抜け出せないのでしょうか?
その背景には、実は構造的な3つの原因があります。

原因①:「リーダーとしての立ち位置」があいまい

中堅社員の多くは、組織の中で上司でも部下でもない微妙な立場に置かれています。
たとえば、「チームを引っ張ってほしい」と言われつつ、具体的な権限や期待は示されない。
「管理職ではないから、最終判断はしないように」と言われれば、主体的に動くのをためらってしまう。

このように、役割のグレーゾーンに置かれていることで、自分の裁量や責任の範囲がわからず、自信を持って行動に移せない状態に陥っているのです。

原因②:「人を動かす技術」を学ぶ機会がない

多くの中堅社員は、プレイヤーとして成果を上げてきた優秀な人材です。
その一方で、「後輩指導」や「チーム運営」など、人を動かす側に回ったときのスキルを学ぶ機会はほとんどありません。

たとえば、

  • 注意すると関係性が悪くなりそうで言いづらい
  • フィードバックの仕方が分からない
  • チームの方向性をどう示せばいいか迷う

このような場面で立ち止まり、「やっぱり自分はプレイヤーでいた方がいいかも」と感じてしまうのです。
つまり、経験の蓄積だけでは、リーダーとしての振る舞いは身につかないということです。

原因③:「やってみよう」と思える自信が持てない

もうひとつ大きな壁は、「自分にできる気がしない」という心理的なブレーキです。
上司から期待されているのはわかっている。でも、具体的にどう動けばいいか分からない。
周囲に頼れるロールモデルがいなければ、なおさら踏み出しづらくなります。

特に、完璧主義傾向の強い人ほど「失敗したらどうしよう」と考えすぎてしまい、結果としてチャレンジを避ける傾向があります。
これは、能力の問題というよりも、経験不足と成功体験の乏しさによる自信の欠如なのです。

このように、プレイヤー止まりから抜け出せないのは、単に「意欲が足りない」からではありません。
むしろ、立場の曖昧さ・スキルの未習得・心理的な不安といった構造的な壁にぶつかっているからこそ、立ち止まってしまうのです。

3.「中堅社員向けリーダー研修」設計の3つのポイント

中堅社員をリーダーとして育成する――
それは単に「マネジメントの知識を教える」ことではありません。
彼らが実際に行動を変えるためには、現場とのつながりを意識した研修設計が不可欠です。

ここでは、研修を効果的に機能させるための基本的な3つの設計ポイントをご紹介します。

ポイント①:「立ち位置の明確化」からスタートする

まず大切なのは、「あなたには何を期待しているのか」というメッセージを明確に伝えることです。
中堅社員は、プレイヤーとマネージャーの間で役割が曖昧になりがち。
そのため、自分が組織のどこに位置しているのかを理解できないまま動いているケースが少なくありません。

研修の最初では、以下のような問いを通じて自分の立場を再認識させます。

  • 自分のチームで期待されている役割とは?
  • 上司や部下から見たとき、自分はどう見えているか?
  • これからの組織において、中堅層が果たすべき貢献とは?

こうした問いかけが、「自分は現場を動かす中間支点なのだ」という意識を生み、リーダーシップ発揮への第一歩となります。

ポイント②:「リーダーの型」を行動単位で教える

中堅社員にとって、「リーダーシップを発揮して」と言われても、何をどうすればよいのか分からない、という声は少なくありません。
そこで有効なのが、リーダーの行動パターン(=型)を明示し、体得させることです。

たとえば、以下のようなシーン別に「型」を示すことで、行動の具体化が進みます。
【後輩指導】⇒ ①話を最後まで聞く、②共感を伝える、③次の行動を一緒に決める
【トラブル対応】⇒ ①事実確認、②影響範囲の把握、③初動指示+再発防止の一言
【会議運営】⇒ ①目的の明示、②意見の促し、③まとめと次のアクション確認

ポイントは、「言葉の選び方」「タイミング」「順序」まで具体的に示すこと。
抽象的な「いいリーダー像」ではなく、日常の中でそのまま使える行動例として伝えることがカギになります。

ポイント③:「小さな成功体験」を積ませる設計にする

最後に重要なのが、「実際にやってみたら、できた」という小さな成功の積み重ねです。
完璧なリーダーになる必要はありません。むしろ最初は、「一言、声をかける」「相手の話を3分間しっかり聴く」など、すぐに試せるアクションを設定することがポイントです。

具体的には、研修内で以下のような工夫を取り入れます。

  • 今日学んだことの中で「明日やってみること」を1つ書き出す
  • 次回研修までの間に実践し、その結果を共有する
  • 成功・失敗に関係なく「やってみたこと」に拍手を送る文化をつくる

このプロセスを通じて、受講者は「自分にもできる」「少しずつ変われる」という感覚をつかみます。
やがてその積み重ねが、指示待ちから影響を与える人への転換につながっていくのです。

リーダーシップは、知識で理解するものではなく、「行動の積み重ねで育つもの」です。
だからこそ、リーダー研修では、立場の認識・行動の型・実践の場をセットで設計することが不可欠です。
この3つの柱を整えることで、彼らは確実に、現場を動かす存在へと進化していきます。

4.現場で活きるリーダー研修の実践例

ここでは、現場で使える力を育てるために実際に効果があった研修の構成例をご紹介します。

◎研修テーマ:「巻き込み力」を高める、現場リーダーとしての関わり方
チームやメンバーを動かすには、指示や命令だけでなく、相手のやる気や自発性を引き出す関わり方=巻き込み力が不可欠です。
指示型から支援型リーダーへの転換をめざす中堅社員にマッチしたカリキュラムです。

◎カリキュラム例(1日):

時間内容ねらい
午前導入:
「巻き込み型リーダー」とは?
理想像を明確にし、自分とのギャップを自覚する
ケースディスカッション:
(職場あるある事例)
他者の視点で考えることで行動の幅を広げる
午後ロールプレイ①:
後輩への関わり
行動の型を実践し、フィードバックを受ける
ロールプレイ②:
メンバーとの対話
難易度を上げた場面で応用力を試す
自己振り返り
明日からの一歩を宣言
学びを現場で活かすアクションにつなげる

成果が出た理由は?
この研修では、「知る」「考える」「試す」「振り返る」というプロセスを1日で完結させる構成としています。

特に効果的だったのは以下の3点です。

①行動の具体化と可視化

巻き込み力を「部下を信頼して任せること」と抽象的に語るのではなく、
「相手の意見を最後まで聞く」「決定前に一度相談する」「感謝を口にする」など、日常に落とし込める行動レベルで示したことが、実践意欲につながりました。

② フィードバックによる気づきの深さ

演習後には、講師だけでなく参加者同士からも具体的なフィードバックを行い、
「自分のクセ」「相手の受け止め方」などに対する認識が深まりました。
とくに、他者に自分がどう映っているかを知ることは、中堅社員にとって強いインパクトとなります。

③明日からの「一歩」を言語化させたこと

「この研修を通じて、明日から自分は何を変えていくのか」を各自に明文化・発表させることで、学びを現場につなげる導線をつくりました。

たとえば以下のような宣言がありました:

  • 「毎朝、ひとことでも部下に声をかける」
  • 「週に1回、後輩に『困ってることある?』と聞いてみる」
  • 「会議で発言を促す役割を引き受けてみる」

こうした小さな行動の約束が、変化の原動力になります。

研修とは、知識を詰め込む場ではなく、行動を変えるきっかけをつくる場です。
そのためには、日常業務と地続きの設計が何より重要です。

もし、皆さんの会社で「研修で学んでも現場で活かせていない」という課題があるなら、
一度、「演習設計」「フィードバックの仕組み」「アクションへの接続方法」の3点を見直してみてください。
中堅社員の行動が変われば、職場の空気も確実に変わっていきます。

5.中堅社員を未来の幹部へ育てるために

中堅社員の育成は、単なる現場の即戦力づくりにとどまりません。
それは、将来の幹部候補を社内で育てる長期的な人材戦略そのものです。

中堅層は、現場経験もあり、後輩指導やチーム運営にも関わることが多いポジション。
だからこそ、今のうちに「考えて動く」「人を動かす」力を養っておけば、近い将来、管理職や部門リーダーとしてスムーズにステップアップできるのです。

実際、こんな声をよく聞きます。
「いざ管理職に昇格したけれど、部下のマネジメントに苦戦している」
「部門間の調整役を期待されたが、自信が持てない」
その多くは、リーダー経験の不足が原因です。

逆に言えば、中堅社員のうちにリーダー経験を積んでおくことで、昇格後の立ち上がりスピードが大きく変わるのです。

さらに、中堅社員がリーダーシップを発揮し始めると、次のような波及効果も期待できます。

  • 若手が育ちやすくなる
  • 組織内の連携が滑らかになる
  • 管理職層の負担が軽減される

これは単なる個人の成長ではなく、組織全体の基盤強化につながる投資です。

未来を見据えた人材育成として、今こそ中堅層へのリーダー研修を仕掛けてみませんか?
それが、変化に強く、持続的に成長できる組織づくりの第一歩となります。

責任者プロフィール
竹村孝宏

中小企業診断士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。大阪市立大学商学部卒業、豪州ボンド大学大学院経営学修士課程(MBA)修了。
㈱デンソーで企画、営業、人事、中国上海駐在を経験、「低コストプロジェクト」で社長賞を受賞するなど活躍した後、独立。現場での多くの経験をベースにした実践的コミュニケーション、モチベーションアップを軸としたプログラムを提供している。日経クロステックに連載中。著書は、「仕事が速い人は何をしているのか?ビジネスフレームワーク活用法」(セルバ出版)
「30代リーダーのための聞く技術・伝える技術」(中経出版)等、多数。

無料相談・資料請求はこちらから!

    研修に関するご相談、お見積り、各種資料請求はこちらからお願い致します。お問い合わせから3営業日以内にご連絡致します。
    研修名

    お問い合わせ内容をご選択ください
    (複数選択可)*


    貴社名*

    所属部署名*

    氏名*

    電話番号*

    ご住所*

    メールアドレス*

    お問い合わせ内容・備考

    お役立ち研修動画 (1)
    タイトルとURLをコピーしました