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評価面談が変わる!マネジメント研修で習得すべきコミュニケーションスキル 現場で信頼を築き、行動を引き出す「対話力」の鍛え方

その評価面談、本当に部下の力を引き出せていますか?

「評価面談、やってるけど、毎回形式的になってしまう…」
「どう伝えたら部下が納得するのか、いつも悩む」
そんな声を、多くのマネジャーから耳にします。

評価面談は、単に「評価を伝える場」ではありません。
本来は、部下の納得感やモチベーションを高め、「次の行動を引き出す」ための対話の場です。
しかし、その本質を理解せず、ただ評価結果を説明するだけの面談になっているケースも少なくありません。

では、どうすれば評価面談を「一方的な通達」から「行動を引き出す対話」へと変えられるのでしょうか?
その鍵となるのが、コミュニケーションスキルです。

本コラムでは、評価面談に必要なスキルを軸に、研修でどのように育成していくべきかを解説します。

1.なぜ今、評価面談の「質」が問われているのか?

皆さんの職場では、評価面談がどのように行われていますか?
「期末のルーティン業務として淡々と進めている」「一応話はするけれど、毎回同じ内容になる」といった声も少なくありません。
しかし今、評価面談の「質」そのものが問われる時代に入っています。

かつての評価面談は、上司が一方的に結果を伝え、改善点を指摘する「通達型」が主流でした。ところが近年は、働き方や価値観の多様化、若手社員の自己成長志向の高まりなどにより、「納得感のある対話型の面談」が強く求められるようになっています。

特に若手層においては、評価そのものよりも「自分がどう見られているか」や「どう成長につなげられるか」に関心を持つ傾向が顕著です。
面談が曖昧で一方的だと、「納得できない」「やる気が出ない」「フィードバックが怖い」といったネガティブな感情につながりかねません。

つまり、評価面談の本質は「点数をつける場」ではなく、信頼関係を深め、行動を促す対話の機会だということ。
ここを見誤ると、せっかくの面談が逆効果になってしまうリスクがあります。

また、人的資本経営や心理的安全性の観点からも、評価面談は組織の健全性を映し出す鏡のような存在になっています。単に評価を伝えるのではなく、「なぜそう評価されたのか」「どうすればより良くなるのか」を、相手が自ら考え、納得し、動き出せるようなコミュニケーション設計が欠かせません。

だからこそ今、マネジャーには「評価を伝えるスキル」だけでなく、「信頼を育て、行動を引き出す対話スキル」が強く求められているのです。

2.「伝えたのに伝わらない」をなくす3つのスキル

評価面談において、こんな悩みはありませんか?

「ちゃんと伝えたつもりなのに、部下が納得していない」
「評価を説明しても、反応が薄くて手ごたえがない」
「フィードバックをしても、次の行動につながらない」

こうした「伝えたのに伝わらない」問題は、実はスキルの不足によるものが大半です。
特に重要なのは、以下の3つのコミュニケーションスキルです。

スキル①:評価の根拠を構造化して伝える力

評価面談でありがちなのが、主観的であいまいな伝え方になってしまうことです。
「よく頑張ってたね」「もっと主体性を持ってほしい」といった言葉は、意図があっても具体性に欠け、受け手にとっては何が良くて何が課題なのかがわかりません。

そこで活用したいのが、構造化された伝え方

  • PREP法(Point → Reason → Example → Point)
  • SDS法(Summary → Detail → Summary)

などの伝達フレームを使うことで、

  • 評価の根拠が明確になる
  • 「なぜこの評価なのか」が納得しやすくなる
  • 感情より事実ベースの対話が可能になる

たとえば、
「今回は目標が達成できたね」(Point)
「その理由は、納期に遅れそうだったところを自分で調整して乗り切ったからだ」(Reason)
「特に○月のAプロジェクトでは、○○という工夫が効果的だったよ」(Example)
「このように、自ら考えて動く場面が増えたことが成果につながったね」(Point)
といった具合です。

PREP法:結論重視…なぜその結論なのか、論理性が重視される場合


SDS法 :ストーリー重視…結論もさることながら、その過程や話自体に重きを置く場合

スキル②:相手の考えや感情を引き出す質問力

評価面談を一方的に話す場だと誤解しているマネジャーも少なくありません。
しかし、面談の価値は、部下自身の内省と行動変容を引き出せるかどうかにあります。

そのために不可欠なのが「問いかける力」です。
たとえば、次のようなオープンクエスチョンを活用してみましょう。

  • 「この半年で、成長したと感じた点はどこ?」
  • 「やりがいを感じた場面は?」
  • 「次にチャレンジしたいことは何?」

質問によって思考を促されると、部下は受け身の姿勢を脱し、自分の言葉で考えるようになります。
また、問いに答える過程で「そうか、自分はこんなふうに成長していたんだ」と気づきを得るケースも多く、モチベーション向上にもつながります。

スキル③:受け止める姿勢を示す傾聴力

いくら論理的に話しても、部下が「否定された」「一方的だ」と感じれば、その時点で信頼関係は損なわれてしまいます。
大切なのは、聴くときの姿勢や反応です。

評価面談では、以下のような「受け止めの技術」を意識しましょう。

  • 部下の言葉にうなずく・あいづちを打つ
  • 「そう思ったんだね」と感情を認める
  • 話の内容を要約して返す(リフレクション)

たとえば、部下が「頑張ったのに評価が低くてショックでした」と言ったときに、「でもそれは…」と否定せず、「そう感じたんだね。まずはその気持ちを聞けてよかった」と返すことで、関係性が大きく変わります。

「まず受け止める」ことが、相手を動かす前提条件なのです。

この3つのスキルは、いずれも難解なものではありませんが、実践を通じて身につける必要があります。
逆に言えば、意識して繰り返せば、誰でも必ず向上できるスキルでもあります。

「伝えたのに伝わらない」をなくすことは、評価面談を「納得と成長の対話」に変える第一歩なのです。

3.評価面談スキルを育てる研修設計のポイント

1on1や日常のフィードバックが「日々の振り返りや対話の積み重ね」であるのに対し、評価面談は節目の対話として、一定期間の成果や課題を整理し、次の行動に結びつける場です。
話の内容も構成も複雑で、相手の納得感を得るためのスキルがより高度に求められます。

評価面談のスキルは、知識として学ぶだけでは身につきません。
「どんな言葉を選ぶか」「どういう順序で伝えるか」「相手の反応にどう対応するか」といった実践的な力は、経験と反復によって習得されていくものです。

そのため、研修設計においては、単なる座学や講義ではなく、理解・体験・振り返り・行動への橋渡しという一連のサイクルを丁寧に組み込むことが求められます。以下の4つのステップを中心に設計することで、受講者の「実際にやってみる力」を確実に育てることができます。

ステップ①:評価面談の理想像を具体的に描かせる

まず重要なのは、受講者に「どのような評価面談が理想的なのか」というイメージを持たせることです。
理想像がないままトレーニングに入っても、行動の方向性が定まらず、場当たり的な対応に終始してしまいます。

例えば、

  • 優れた面談のロールプレイ動画を視聴する
  • よくある失敗パターンと成功パターンを比較する
  • 理想的なフィードバック例を紹介する

などを通じて、「こんな面談ができたらいいな」と思えるモデルを提示しましょう。

ステップ②:面談場面を行動単位に分解する

理想像を示したあとは、それを構成する行動を細かく分解して言語化します。
つまり、「何を」「どう」すれば、理想的な面談になるのかを具体化する段階です。

たとえば、「評価を伝える」場面であれば、

  • 結論を先に伝える(PREPのP)
  • 根拠を事実で示す(RとE)
  • 最後に行動を促すコメントで締めくくる(P)

といった手順に分解して説明します。
この分解と手順化により、受講者は曖昧なイメージではなく、行動の設計図を手に入れることができます。

ステップ③:本番を想定した演習で反射的な動きを育てる

行動パターンが理解できたら、次はロールプレイやシミュレーション演習で体に染み込ませる練習を行います。
この際、重要なのは「本番を想定したリアリティのある設定」にすることです。

たとえば、

  • 実際の自社評価制度に即したシナリオを用意する
  • 想定外の反応(反論・沈黙・不満)を織り込む
  • 時間制限を設けて緊張感を持たせる

など、実務に近い環境で演習を行うことで、考える前に動ける力を養うことができます。

ステップ④:振り返りとフィードバックで改善意欲を育てる

演習のあとは、必ずフィードバックと自己振り返りの時間を設けましょう。
ここで初めて、受講者は「自分の何が良かったのか/改善すべきか」に気づきます。

具体的には、

  • 講師やファシリテーターからのコメント
  • 同席者からの観察フィードバック
  • 自己記入式の「振り返りシート」

などを活用し、次回に向けた具体的な改善行動を整理します。
このサイクルが繰り返されることで、「やってみる→できた→もっと良くしたい」という行動改善のループが生まれます。

評価面談のスキルは、講義だけでは育ちません。
「良い面談のモデルを見せる」「動きを分解する」「繰り返し練習する」「振り返る」——この流れを意識した設計が、確実なスキル定着につながります。

評価面談が苦手なマネジャーも、正しいプロセスでトレーニングを積めば必ず変わっていきます。
大切なのは、一度きりで終わらない設計の工夫です。

4.面談が変わったと実感できる職場へ

せっかく研修で評価面談スキルを学んでも、現場で使われなければ意味がありません。
むしろ、本当の勝負は研修が終わった「そのあと」に始まります。
では、現場で「面談が変わった」と実感できるようにするには、何が必要なのでしょうか?

まず大切なのは、学びを職場に持ち帰る仕組みを用意することです。
以下のようなシンプルな工夫でも、現場での定着率が大きく変わります。

⑴面談直後に振り返りの時間をとる

評価面談の終了後に、上司・部下それぞれに「面談振り返りシート」を記入してもらうことで、双方の気づきを可視化できます。

たとえば、次のような項目を設定します。

  • 面談で印象に残ったこと
  • 自分の話し方・聴き方でよかった点
  • 次に面談する際に改善したいこと

このように「記録→内省→次回への行動」に落とし込むことで、面談の質は着実に上がっていきます。

⑵同期やチームで振り返りの場を設ける

評価面談はマネジャーにとって孤独な業務になりがちです。
だからこそ、他のマネジャーと面談後の気づきや悩みを共有できる場があると、学びが深まります。

たとえば、

  • 月1回の「面談実践共有会」
  • 2~3名のペアでの相互コーチング
  • 良かった面談事例をチーム内で発表する機会

といった仕組みがあるだけで、「自分の面談を見直そう」という意識が自然に高まります。

⑶小さな実践アクションを継続させる

研修直後の一時的な熱意だけでは、行動はすぐに元に戻ってしまいます。
そこで有効なのが、「小さなアクションの継続」です。

  • 面談前に5分だけ、伝え方をメモで整理しておく
  • 部下一人ひとりに1つ、具体的な強みを言葉にして伝える
  • 1on1の中で、1分だけでも自己評価を聞く時間を設ける

こうした行動を少しずつ繰り返すことで、評価面談の日常化が進みます。

面談が変われば、職場の雰囲気も変わります。
マネジャーが部下と丁寧に向き合い、対話を重ねる職場には、自然と信頼関係が育まれます。
そしてその信頼こそが、個々の成長や組織成果の土台となるのです。

5.評価面談を対話の場に変える

評価面談は、単に評価結果を伝える場ではありません。
本来の目的は、部下が自分の強みや課題を理解し、次の行動へ踏み出すための対話の場にすることです。

しかし実際には、「言うべきことを言って終わり」「通達だけで対話になっていない」という現場も少なくありません。
その背景には、マネジャー側のスキル不足や自信のなさ、面談に対する誤解があります。

だからこそ、マネジメント研修で「伝える力」「聴く力」「引き出す力」といった評価面談に必要なスキルを体系的に習得させることが重要です。

特に、

  • 構造的に伝える技術(PREP・SDSなど)
  • 内省を促す質問力
  • 共感的な傾聴姿勢

といったスキルは、部下との信頼を築き、行動変容を引き出すうえで欠かせない要素です。

また、スキルを学んだだけでは不十分であり、実践→振り返り→改善のサイクルを回し続けるための研修設計や職場での仕組みづくりも欠かせません。

評価面談が変われば、組織は確実に変わります。
マネジャーが対話力を身につけることは、エンゲージメント向上や離職防止といった経営課題の解決にも直結するのです。

今こそ、「評価面談=対話の場」という発想に立ち返り、その実現を後押しする研修と職場環境を整えていきましょう。

責任者プロフィール
竹村孝宏

中小企業診断士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。大阪市立大学商学部卒業、豪州ボンド大学大学院経営学修士課程(MBA)修了。
㈱デンソーで企画、営業、人事、中国上海駐在を経験、「低コストプロジェクト」で社長賞を受賞するなど活躍した後、独立。現場での多くの経験をベースにした実践的コミュニケーション、モチベーションアップを軸としたプログラムを提供している。日経クロステックに連載中。著書は、「仕事が速い人は何をしているのか?ビジネスフレームワーク活用法」(セルバ出版)
「30代リーダーのための聞く技術・伝える技術」(中経出版)等、多数。

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