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社員のエンゲージメントを高める研修とは?離職防止にもつながる「組織のつながり」を再構築するアプローチ

なぜいま「エンゲージメント」が問われているのか

「うちの社員、どうも仕事に前向きじゃない…」
「せっかく採用したのに、1年以内で辞めてしまう」
そんな悩みをお持ちの人事担当者、マネジャーの方はいませんか?

企業が持続的に成長するために欠かせないのが、社員一人ひとりのエンゲージメントの高さです。
しかし現実には、「何のために働いているのか分からない」「会社に期待していない」と感じている社員も少なくありません。

本コラムでは、エンゲージメント向上と離職防止を両立する研修設計について、実践的なアプローチをご紹介します。
制度や福利厚生では届かない、人と組織のつながりに目を向けたアプローチが、これからの鍵となるはずです。

1.エンゲージメントとは何か

最近、「エンゲージメント」という言葉を耳にする機会が増えていませんか?
多くの企業が「従業員エンゲージメント調査」や「エンゲージメント向上施策」に取り組むようになっていますが、そもそも「エンゲージメント」とは何なのでしょうか。

似た概念に「従業員満足度」がありますが、この二つは明確に異なります。
従業員満足度が「与えられた環境にどれだけ満足しているか」を示すのに対し、エンゲージメントは「この会社に貢献したい」「もっと頑張りたい」と思える心のつながりを表します。

たとえば、職場環境や待遇には特に不満がないけれど、「どうせ頑張っても評価されない」「誰の役に立っているのか分からない」と感じている社員は、満足はしていてもエンゲージメントは低い状態です。
一方で、多少の不満があっても、「この仕事が好きだ」「仲間と一緒に成果を出したい」と思えている社員は、エンゲージメントが高い状態にあります。

このように、エンゲージメントとは、自ら納得し、進んで貢献しようとする意欲的な働き方を意味します。
だからこそ、エンゲージメントが高い社員は、自律的に考えて動き、周囲に良い影響を与え、会社の目標に向かって自然と力を注ぎます。
逆に、エンゲージメントが低いまま放置されると、遅刻や欠勤、パフォーマンス低下、最悪の場合は早期離職といった問題に発展することも少なくありません。

つまり、エンゲージメントの有無は、単なる気持ちの問題ではなく、組織の成果や持続的成長に直結する経営課題なのです。

エンゲージメントを高める取り組みは、社員一人ひとりの働く意味を再発見させ、「この会社で働く価値」を感じてもらうことでもあります。
そしてその土台となるのが、本人の意欲や価値観に向き合い、周囲との関係性を深める機会――つまり、「対話」や「体験」に重きを置いた研修なのです。

2.「働きがい」を育む3つの要素

社員のエンゲージメントを高めたい――そう考えたときに、まず押さえておきたいのが「働きがい」という視点です。
エンゲージメントは、給与や待遇といった外的な要因だけで決まるものではありません。むしろ、多くの人が日々の仕事の中で「自分は意味のあることをしている」「誰かの役に立っている」と実感できるかどうかが、大きく影響しています。

働きがいを感じるためには、3つの要素が必要となります。

⑴組織とのつながり:理念・ビジョンとの共鳴

まず大切なのが、自分の仕事が組織の方向性とつながっていると感じられることです。
たとえば、企業理念やビジョンが浸透しておらず、「なぜこの仕事をしているのか分からない」と感じていると、仕事が単なる作業になりがちです。
逆に、会社の存在意義や目指す方向性が腹落ちしていると、「この仕事が会社の未来に貢献している」と実感しやすくなり、自らの業務に誇りや意味を見いだせるようになります。

これは単に朝礼で理念を唱和すれば済む話ではありません。
現場レベルで「私たちの仕事が、どうビジョンにつながっているのか」を言語化し、共有する機会が必要なのです。

⑵仲間とのつながり:信頼・共感・感謝の関係

働きがいを支えるもう一つの軸が、「一緒に働く人との関係性」です。
いくら仕事内容にやりがいがあっても、「誰とも本音で話せない」「相談できる相手がいない」ような職場では、孤独感や疎外感が募り、エンゲージメントは高まりません。

特に若手社員や中途入社者は、業務よりも人間関係の不安を理由に離職するケースが多くあります。
信頼できる仲間がいる、自分を理解してくれる人がいると感じられることで、人は安心して能力を発揮できるようになります。

研修などで、お互いの価値観や背景を共有する場を設けると、こうした関係性の土台が築かれやすくなります。
「感謝を伝える」「強みをフィードバックする」といったシンプルな関わりが、信頼とつながりを生むきっかけになります。

⑶自分自身とのつながり:成長実感とキャリア展望

最後の要素は、自分自身とのつながり――すなわち「自分はこの仕事を通じて成長している」「未来に向けて前進している」と感じられるかどうかです。

仕事を続ける中で、誰しもが「今のままでいいのだろうか」と迷う瞬間を経験します。
そのときに、「1年前よりもできることが増えた」「上司が自分の可能性を見てくれている」と実感できることは、大きな支えになります。

また、キャリアは必ずしも昇進だけが目標ではありません。
「どんな価値を生み出したいか」「どんな働き方を大切にしたいか」といった個人のキャリア観に寄り添う機会があると、社員は自らの仕事に主体的に向き合えるようになります。

これら3つのつながり――「組織」「仲間」「自分」
このいずれかが欠けると、働きがいは不安定になり、エンゲージメントは低下してしまいます。
だからこそ、研修やマネジメントの中で意識的にこれらを育むことが、エンゲージメント向上への第一歩となるのです。

3.エンゲージメントを高める研修の3つの柱

エンゲージメントを高めるには、制度や報酬だけでは不十分です。
大切なのは、社員自身が「ここで働く意味」や「誰と、何のために働くのか」を自ら再認識し、前向きに行動できる状態をつくることです。
そのために有効なのが、研修という「立ち止まって考える時間」を活用したアプローチです。

エンゲージメント向上を目的とした研修にはさまざまな手法がありますが、成果を出している研修には共通する3つの柱があります。

⑴「対話」を中心に据える:人とつながり、自分を見つめ直す

エンゲージメントの本質は、誰かとのつながり存在の承認にあります。
そのため、講義中心ではなく「対話」や「共有」の時間を軸にした設計が欠かせません。

たとえば、

  • 過去の経験を振り返り、自分にとって大切な価値観を共有する「ライフラインワーク」
  • 同僚からフィードバックをもらい、自分の強みを再発見する「称賛ワーク」
  • 他者の話に耳を傾ける「傾聴トレーニング」

こうしたワークを通じて、「自分は受け入れられている」「ここにいていい」と実感できた瞬間に、自己肯定感とエンゲージメントの芽が育ち始めます。

⑵現場とつながる:学びを行動に移す設計

研修でいくら深い気づきを得ても、現場で何も変わらなければ意味がありません。
大切なのは、「学び」→「行動」→「変化」の流れを明確に描くことです。

効果的な研修では、

  • 現場で直面している実際の課題をテーマに取り上げる
  • 研修後の1on1やミーティングとつなげて、上司と対話する機会を設ける
  • 小さな実践アクションを設定し、後日フォローアップする

といった工夫がなされており、受講者が「現場で試す」流れが自然に組み込まれています。

特に有効なのは、「明日からできる行動」を具体的に言語化させることです。
例:「チームメンバーに1日1回、感謝を伝える」「会議で1つだけ質問してみる」など、すぐに取り組めるアクションが、学びの定着とモチベーションの維持につながります。

⑶安心して話せる場をつくる:心理的安全性のモデルとして

研修で対話を深めるためには、「安心して話せる雰囲気」が絶対条件です。
いくら内容が良くても、場が緊張感で張りつめていれば、心を開いて本音を話すことはできません。

効果的なエンゲージメント研修では、講師やファシリテーターが率先して、

  • 否定せずに聴く
  • 名前で呼び合う
  • 失敗談や弱さも共有する

といった心理的安全性を体現する関わり方をしています。
その雰囲気の中で受講者自身も、安心して語り、他者の話に共感することで、自然と関係性が深まり、自己開示や信頼が生まれていくのです。

また、「他の人も同じような悩みを抱えている」「こんな考え方もあるんだ」と気づけることで、孤独感や閉塞感がほぐれて前向きな変化が起こりやすくなります。

このように、エンゲージメントを高める研修では、
「自分と向き合う」
「人とつながる」
「現場につなげる」
という3つの視点が連動して設計されていることが重要です。

知識を詰め込むだけではなく、気づきつながりを実感できる場が、社員の行動変化を促し、組織の一体感を育てる原動力となるのです。

4.研修で得られる成果と効果

エンゲージメント向上を目的とした研修は、「社員の意識を変えること」にとどまりません。
本当に成果が出る研修とは、受講者自身の気づきが、実際の行動につながり、職場の風土そのものを変えていくような設計になっています。

ここでは、エンゲージメント研修によって実際に得られる代表的な成果を3つに分けてご紹介します。

⑴離職の兆しに早く気づける

エンゲージメントが低下している社員ほど、「周囲に本音を出せない」「悩みを抱えても声に出せない」状態に陥りがちです。
そうした兆候を、本人すら気づかないまま放置すれば、ある日突然の退職につながるケースもあります。

しかし、研修の場で対話や自己開示のワークを通じて気持ちを言葉にする中で、「実はずっと迷っていた」「もっと挑戦したいのに、どう動けばいいか分からない」といった声があらわれることがあります。
そのような気づきのタイミングを逃さず、上司や人事が適切に関われば、離職のリスクを未然に防ぐことが可能になります。

特に1〜3年目の若手社員に対しては、「定期的な対話の機会」として研修を活用することで、早期離職の抑止効果が期待できます。

⑵チームの関係性が深まり、協働意識が育つ

対話型の研修では、「こんな想いを持っていたなんて知らなかった」「あの人も同じことで悩んでいたんだ」といった発見が多く生まれます。
普段の業務では交わすことのない価値観レベルの共有が、信頼関係や共感を生むきっかけになるのです。

研修後には、「仕事の頼み方が丁寧になった」「雑談が増えた」「メンバーへの関心が高まった」といった小さな変化が現れることも珍しくありません。
こうした変化の積み重ねが、チーム全体の協働意識やエネルギーを底上げしていくのです。

また、ある企業では研修後に「称賛シャワー制度(週1回、感謝を言葉にする取り組み)」を導入した結果、職場の空気が大きく変わったという報告もありました。

⑶自律的なキャリア意識が芽生える

研修で自己理解を深めるプロセスは、「自分がどんな価値を大事にしているのか」「どんな強みがあるのか」に気づく機会にもなります。
それは単なる“内省”ではなく、キャリアの方向性を考えるきっかけとなり、社員の主体性を引き出すトリガーになります。

特に次のような声が多く聞かれます。
 「自分の役割を改めて意識するようになった」
 「やりたいことが少しずつ言語化できてきた」
 「今の部署でもっと貢献したいと思えるようになった」

このように、自らの可能性や意志に目を向けることで、受け身ではなく自律的に働くマインドが芽生えていきます。
これは、人事評価や制度ではなかなか育てることができない、大きな変化です。

エンゲージメント研修は単なる“学びの場”ではなく、社員一人ひとりの意識と行動を変え、組織に波及していく変化の起点です。

目に見える成果はすぐには出ないかもしれません。
しかし、社員同士の関係がほぐれ、発言が増え、挑戦する姿勢が見られるようになったとき――
それこそが、エンゲージメント研修がもたらす最も大きな成果と言えるでしょう。

5.現場で活かすために、研修後に取り組みたいこと

どれだけ良い研修を実施しても、そのまま現場に戻れば元通り…という声をよく耳にします。
エンゲージメント研修は、気づきを得る場であると同時に、行動変化の起点として機能させることが成功の鍵です。

そのためには、研修後のフォローや実務との接続が欠かせません。以下のような取り組みを通じて、学びを継続的な変化につなげていくことが大切です。

⑴1on1での振り返り面談を実施する

研修後1〜2週間以内に、上司やメンターとの1on1を設定し、「どんな気づきがあったか」「現場で何を変えてみたいか」を言語化させましょう。
このプロセスが、自分ごと化と行動への意識づけに直結します。

⑵小さなアクションを決めて実行する

「毎朝1人に声をかける」「会議で必ず1回は意見を言う」など、すぐに実践できる行動目標を設定します。
行動を宣言し、実行したら自分で記録するだけでも、継続率が高まります。

⑶学びをチームに共有して巻き込む

研修参加者が、自チームで「学んだこと」「印象に残ったこと」を共有する時間を持ちましょう。
個人の気づきをチーム全体に波及させることで、職場全体の意識も変わっていきます。

研修は終わってからが本番です。
「何を学んだか」ではなく、「何が変わったか」を見届ける姿勢が、エンゲージメントを本物の行動につなげていく力になります。

責任者プロフィール
竹村孝宏

中小企業診断士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。大阪市立大学商学部卒業、豪州ボンド大学大学院経営学修士課程(MBA)修了。
㈱デンソーで企画、営業、人事、中国上海駐在を経験、「低コストプロジェクト」で社長賞を受賞するなど活躍した後、独立。現場での多くの経験をベースにした実践的コミュニケーション、モチベーションアップを軸としたプログラムを提供している。日経クロステックに連載中。著書は、「仕事が速い人は何をしているのか?ビジネスフレームワーク活用法」(セルバ出版)
「30代リーダーのための聞く技術・伝える技術」(中経出版)等、多数。

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