研修効果を高めるには

研修とは何か

対象とする物事について「わかる」レベルで終わるものは「研修」とは呼べず、「できる」レベルに到達するまで行うのが「研修」であるといえます。また、できるようになるまでの過程において「精神面における成長」が見込めるものが「研修」であると定義できます。

この定義からすれば、話の内容が、聴衆の心に訴えるような素晴らしい内容であったとしても、講演会を実施するだけでは「研修」を実施したことにはなりません。Eラーニングなどで、知識だけを一方的につめこんでも「研修」を実施したことにはならないということです。

効果のない社員研修とは

今、求められているのは「良い研修を実施する」ということにとどまらず、少しでも「効果を出す」ことがです。さらに言えば、「短期で効果を出す」ことが求められているのです。

企業の教育担当者にとって、社員研修をしても、「目に見える効果が表れない」というのは、頭の痛い問題ではないでしょうか。

一般的には、社員研修におけるプログラムが最も重視されています。しかし、実際にはそれだけでは、大きく不足しているのです。

ウェストミシガン大学のロバート・ブリンカーホフ教授が、ASTD(米国人材開発機構:世界最大の人材開発コンファレンス)で、次のような研究成果を公開しています。

<効果のない研修プログラムの原因分析>

  • 受講者の事前の準備不足   …40%
  • 研修プログラムの内容の問題 …20%
  • 活用における環境上の障害  …40%

一般的に最も重要だと考えられている「研修内容」が研修全体に与える影響は20%に過ぎないということです。

効果のない研修の原因の主な原因は、「研修」の前後に存在しているのです。

研修は、受講者が研修の目的を理解して事前に準備し、研修実施後のフォローまでしっかり計画しなければ、効果が出にくいということです。

どうすれば研修効果が上がるか

1.教育体系の明確化と研修への理解

社員教育において、最初にやるべきことは、会社としてどのように社員を育てたいのかを明確にすることです。すなわち、階層別、職能別の期待する人材像と現状とのギャップを埋めるための教育手段を「教育体系」として定めることが必要です。ただ漠然と、他社で話題となっている研修や大手企業の教育方法をそのまま取り入れても、期待した効果が得られません。業務内容や人事制度、教育体系など、自社の持つ社風をしっかりと意識し、「どう進化していきたいか」という方針を定めることで、必要な社員教育が見えてきます。

教育体系および研修に対しての理解が必要なのは、対象となる社員だけではありません。経営者や教育担当者、対象社員の上司などあらゆる社員が、研修を行うことに対する意義や内容を理解している必要があります。特に上司の協力なしでは、社員教育は効果を発揮することができません。研修受講前後に部下と対話をした上司ほど、研修効果が部下に定着します。上司が研修の意義や内容をきちんと理解し、対象社員が研修で学んだことを実践できる環境を整えることが、社員教育においては重要となります。

2.何のために研修を実施するのかを明確化

社内で年中行事のように、「ただやらなければならないから」という漠然とした理由で研修を実施し、受講者も言われたから仕方なく参加していては、効果は期待できません。研修担当者が経営者、あるいは現場から言われた通りに研修の内容を決めているようでは意味がありません。その研修に期待する効果が必ずあるはずです。研修の目的が抽象的であれば、効果測定が難しくなるので、より具体的な目的の設定が必要です。

研修の目的を具体的に設定するためには、研修で目指しているものは何か、研修によって何がどのようになればいいのか、を明らかにしなければなりません。

そのためには、4つのポイントがあります。

  1. この研修はどのような問題解決や課題達成のために実施するのか
  2. この研修で受講者にどのような変化(行動)を期待するのか。
  3. 受講者が職場に戻って、チームや組織へどのような影響の発揮を期待するのか。
  4. この研修によって仕事や業績にどのような変化が起こればよいのか。

3.受講者の現状把握と受講者・上司への研修目的の徹底

現場の実態やニーズをしっかり把握せずに研修を実施すると、研修が始まってしまってから、受講者の状況と研修の内容が合わない、受講者の課題が想定と違っていた、ということになり、期待通りの研修効果を得られません。

そのためには、以下の2つの対応が必要となります。

 1.受講者の現状を事実ベースで把握し、研修の内容・運営に反映する

受講者の置かれている現実の状況や受講者の悩みや直面する課題を把握しておく必要があります。具体的な方法としては、インタビュー、面接、事前課題の実施などの方法があります。

 2.受講者とその上司に対して働きかけ、研修目的への理解を促す

研修目的を理解せずに、研修を受ける受講者が少なくありません。今回の研修が仕事や職場、受講者本人にとってどのような意味があるのか、受講者とその上司が事前に認識しておくことが大切です。

さらに、受講者に対しては、上司から「研修を通じて学んでほしいこと」「身につけてほしいこと」などの期待を明確に伝え、研修参加への動機づけを図らなければなりません。そうでなければ、受講者の研修に対するモチべーションが非常に低くなり、研修の効果も上がりません。

4.受講者が研修で気づきを得るプログラム

目的を設定しても、受講者が研修で学んだことを実践しなければ、目的は達成できません。したがって、限られた研修時間内で、研修の終了時には、「受講者が研修で意図した行動を実践したい」という意識や意欲を持つようなプログラムが期待されます。

受講者は、期待される行動とそのために必要な知識・スキルなど「あるべき姿」を理解する必要があります。同時に、これまでの経験を振り返り、考え方や行動の特徴など、自分の現状を認識します。その「あるべき姿」と「現状認識」を、講師の適切なアドバイスや、他の受講者との交流を通じて、自分の意識や行動を変える必要性に気づきます。

その上で、具体的に何から実行すればよいのかわかれば、実践に向けての意欲が向上し、意識や行動を変える方向に踏み出すことができるのです。つまり、「研修で学んだことを職場で実践できそうだ」「意識や行動を変えることで業務がうまくいく」という「気づき」を得られるのです。

5.研修内容を最大限活かせるせる環境づくり

研修の効果が出るのは、受講者が職場に戻って何らかの行動を実践してからになります。

せっかく、研修で「気づき」を得ても、研修が終わってそのままにしておけば、そのうち忘れ去ってしまいます。フォロー研修など、受けた研修内容を思い出してもらう機会を設ける必要があります。研修で得た知識を現場で発揮させるような仕組みを整えることも重要です。例えば、研修で学んだことを報告させたり、社内で発表させたりするのも良いでしょう。

上司が、研修に対して研修の意義を理解していなければ、OJTと連動することができません。その場合は、上司にガイダンスを行うなどして、上司の理解を促進する必要があります。面談などにより、受講者の行動に対する承認・支援・賛同を得られる場を設定することも効果があります。上司が研修受講前後に部下と対話をするほど、研修効果が部下に定着しているという結果があります。上司が研修の意義や内容をきちんと理解し、対象社員が研修で学んだことを実践できる環境を整えることが、社員教育においては重要となります。

研修効果の測定は、「研修受講後アンケート」のみではなく、研修内容の理解度や職場での実践度を確認するために成果に結びつく「行動」を定義し、その行動がどのように変化したのかを「研修フォローアップアンケート」などで確認することが重要となります。

研修計画を今後どのように生かすか、行動計画を作成し、研修内容を今後どのように生かすかの「行動計画」を作成し、定期的にフォローするのは効果的な方法です。加えて、受講者、上司、教育担当、講師が「個別面談」を実施することでさらに効果を高めることができます。

行動計画に基づく「フォローアップ研修」は、極めて効果的です。研修後の実践行動を振り返り、うまくいったこと、うまくいかなかったことやその理由を明らかにしたり、受講者同士で発表することでノウハウを共有し、それ以後のさらなる実践行動を促進することができます。

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